中耳炎の原因はインフルエンザだった?

中耳炎とは、肺炎球菌とインフルエンザ菌などの細菌が主な原因となって、中耳に入り炎症を起こす病気です。
子供に多い病気ではありますが、大人でもかかることがあります。
乳児や子供は成長途中ということで耳管がまだ発達しきれていないため、長さが十分でない、角度も水平に近い、という身体的特徴から細菌が侵入しやすいと言われています。
そこで風邪を引くと、鼻や喉に炎症が起こり、そこから繋がっている耳へも細菌が侵入してしまい、中耳炎にかかりやすいです。

中耳炎が発症する部位は、その名の通り耳の外耳・中耳・内耳のうち中耳部分です。
耳管という通路があり、鼻から入ってくる空気が出入りできるようになっていて、細菌やウィルスなどもそこを通って行き来しやすいです。
急性と慢性に分けられ、3ヵ月以上急性中耳炎が続いた場合に、慢性だと診断されます。
また、急性が完治した後に、中耳に炎症による浸出液が溜まったままの状態となると、滲出性中耳炎と診断されます。

かかりやすい子供の年齢は4歳以下で、中でも特に2歳以下で保育所といった集団生活の場に預けられている子供では多発する傾向にあります。
細菌等への抵抗力がまだ十分ではない時期に、年長の子供が細菌を持ち込んだものにうつってしまうということが多いです。
子供の約80%は中耳炎にかかっても自覚症状に気が付かず、急性から慢性へ、ひどい時は滲出性中耳炎にまでなってしまうこともあります。

耳の痛み、難聴、自閉感、耳鳴り、耳漏、発熱などの症状が見られる急性中耳炎ですが、ごくまれに内耳炎、髄膜炎など重い合併症を引き起こすこともあります。
急性の再発を繰り返すと慢性へ、さらに慢性中耳炎では鼓膜穿孔(鼓膜に穴が開く)も引き起こすことがあります。
こうなると、呼びかけても聞こえていなかったりという状態になります。
病院では問診と視診ですぐにチェックしてもらえますので、いつもと子供の様子が違うと思った場合にはすぐに受診しましょう。

中耳炎は鼓膜を切開して治療することもある

中耳炎の検査として、純音聴力検査(難聴の具合、障害の部位を調べる)、ティンパノメトリー(鼓膜、中耳の様子を調べる)などがあります。
滲出性中耳炎となった場合には、耳管機能検査(耳管の動きが正常化どうか)、レントゲン検査(鼻の炎症を調べる)、内視鏡検査(耳管開口部、リンパ節の状態を調べる)などをします。
その後、薬物療法を中心に治療が始まります。

初期の軽い中耳炎の治療には解熱鎮痛剤だけが用いられることも多いですが、中~重症の中耳炎では抗生物質が用いられます。
炎症の原因となる細菌の約80%が肺炎球菌とインフルエンザ菌ですので、これらは抗生物質への耐性を持って抵抗を示す耐性菌が増えてきていることが懸念されています。
そのため、抗生物質がなかなか効かない場合には耐性菌を疑い、適切な対処法を考えます。
合うものを使用しないと中耳炎の治療どころか、薬剤への耐性菌が体内に増えてしまうことになります。

中耳炎で用いられる抗生物質にはセフェム系メイアクト、ペニシリン系サワシリン、クラバモックスなどがあります。
集団保育の場にいるといった状況では強めの抗生剤が出ることも多く、胃腸薬も一緒に処方されます。

場合によっては、鼓膜切開といった手術療法を行います。
周囲の組織から染み出て中耳に溜まった液体、膿等を吸い出すのが目的となる鼓膜切開術が主となります。
また、鼓膜に穴を開けて小さなチューブを設置する鼓室内チューブ留置術では、外耳と中耳を結ぶ通路を人工的に作り、中耳へ空気が出入りできるようにするというものです。
症状が改善してくるのに伴って、数か月をかけて耳の外へ膿や液体が排出されます。
鼓膜は再生しますので聴力がなくなくということはありません。